The Collection of Life nearby Industrial Estate 木村 孝

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The Collection of Life nearby Industrial Estate
(ライフ・コレクション・イン・ニュータウン)

photo by 木村 孝


ここはタイの、新興工業団地とそれに隣接するニュータウン。
かつて野原だったこの場所は、1989 年に工業団地が開設されて以降発展を続け、仕事やビジネスチャンスを求めて国内外から人々が集まる都市へと変貌している。
人々はこの街をアマタナコーンと呼ぶ。

二十歳の頃、日本企業で働く知人の誘いでこの街に1ヶ月ほど滞在した。田舎ではないものの、生活を営む場所としてはまだまだ不充実なところであったと記憶している。
それから10年弱後、私はこの街に再びやってきた。街は、大きく変わっていた。野原は拓かれ道路に変わり、池は埋め立てられて新たな住宅地や商業施設となった。
運動公園やプールなどの公共施設が整えられ、「ファミリー・シティ」をはじめとした家族向け一戸建て住宅の区画が続々と作られている。
大型ショッピングモールも開設され、日々多くの人でにぎわう。

私は極めて現代的に成立したこの街の特質に興味を持ち、その手がかりを求めて、この街に生きる人々を彼らのプライベートルームで撮影することを始めました。

ある青年は「この街で長く働けば車が買えて、家が建てられる」と語り、ある工場労働者は「数ヶ月お金を稼いだら故郷へ帰る」と語る。
「求職中」という若者はさらなるチャンスを求め海外へと旅立った。
一方で自らを「ファースト・ジェネレーション」と呼ぶ、この街で生まれ育ち、アイデンティティを持つ者も出始めている。
彼らの姿とパーソナルな空間には、その「らしさ」が露出している。それはまた、この街の「らしさ」でもあり、現代タイの一端ともいえるだろう。


木村 孝( Kou Kimura )

●略歴
1986年 愛媛県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。
写真家アシスタント、スターツ出版株式会社フォトグラファーとして勤務の後、現在はフリーランス。
2018年 ウッタラヤンアートセンター滞在作品制作
2018年 グループ展「インドにふれて」木星舎
2019年 KYOTOGRAPHIE KG+ 「NEW JAPAN PHOTO EXHIBITION」 ホテルアンテルーム京都
2020年 木村孝写真展 「ライフ・コレクション・イン・ニュータウン」 銀座ニコンサ ロン、大阪ニコンサロン

HP:https://kimurakou.com/


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