Kagerou 高木 佑輔

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Kagerou

photo by 高木 佑輔


原発事故後、まるで蜃気楼が立ち昇っているかのように、東京の風景が歪んで見えたのを覚えている。
初めての経験で戸惑ったけど、いま思うと未曾有の事故を前にして、現実を受け入れられなかったのだと思う。

2年後の春、玉のような息子が誕生した。スクスク育っている息子の笑顔を見ると複雑な気持ちになってしまう。
天真爛漫さは僕を心底癒してくれる。
それと同時に、原発事故後に産まれた息子の将来を思うと、申し訳ない気持ちになってしまう。
かあちゃんのお腹の中にいる時から浴びている放射線が、どんな作用をするのか全く予期できない。
やるせなさと、行き場のない怒りは僕を徐々に消耗させていく。

それでも人生は続く。政治や運命に翻弄されようとも、東京であれ、横浜であれ、福島であれ。
ならば僕は一人の人間として、父親として、そして縁あって福島の人々と出逢った者として、生きていた証を写真に刻み込みたかった。


高木 佑輔(Yusuke Takagi)

○略歴
1979年東京生まれ、横浜市在住。
明治学院大学社会学部社会学科卒業後、2005年からフリーランスの写真家として活動を開始し、辺境に生きる人々の人権を主なテーマとして、アジア・アフリカを取材。
2011年の東日本大震災を機に日本社会をテーマとし、福島第一原子力発電所事故後の福島の人と風景を継続的に撮影している。
原発事故から二年後に授かった息子と共に生きる世界とに向き合おうと、写真集プロジェクト『Kagerou』に着手し、現在は依存症のプロジェクトを進行中。

HP:
http://yusuketakagi.net/
写真集『Kagerou』販売サイト
http://reminders-project.org/rps/kagerousalejp/
Facebook:
https://www.facebook.com/yusuke.takagi
Instagram:
https://www.instagram.com/yusuketakagi1979/
Twitter:
https://twitter.com/Yusuketakagi

○受賞歴
Human Rights Award in FCCT/OnAsia PHOTO CONTEST 2010
KL INTERNATIONAL PHOTOAWARDS 2012 Portrait Category Finalist
Steidl Book Award In Japan 2016 Long List
2017 FUAM Istanbul Photobook Dummy Award Special Prize

○写真展
2010年 "The Prison Called Burma"/ FCCT
2012年 "Abandoned"/Zen Foto Gallery
2018年 "Kagerou"/ Reminders Photography Stronghold

○グループ写真展
2012年 "Tohoku - Images of a Disaster" / The Burunei Gallery in London
2012年 "Images of Tohoku"/ FCCT
2013年 "Burma Untold" / forty-five downstairs gallery in Melbourne
2013年 The 6th Jeonju Photo Festival in Korea
2017年 TOKYO Documentary Photo / gallery re:tail
2018年 "SON BASKI Latest Edition #2" / DAIRE SONAT
2018年 Athens Photo Festival 2018 / VOID
2018年 Obscura Festival / Hin Bus Depot


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