Objet 大塚 和也

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photo by 大塚 和也


古来より日本には「付喪神」という観念があった。    
日本人は科学的に見て明らかな生命活動を行っていない物にまで命を感じ取る非常に豊かで稀な想像力を持ち合わせていたのだ。    
翻って僕の写真はどうだろう?    
太陽と海は文字通りすべてのものの始まりであると同時にすべてのものの生命活動の象徴でもある。    
だからこの二つを後ろに、あるいは中心に従えたこれらの物体は僕が写真を通して甦らせた現代の付喪神の姿だと言えるのではないか?    
超広角レンズやフラッシュを多用することで、その形が実際の物よりも大きく歪み変形して写っていることも
器物に手足が生えて勝手に動き回る付喪神の描写になぞらえることが出来ると思う。    
僕は元々、逆光の海を縦位置の構図で撮ることが好きだった。    
まるで掛け軸に描く日本画のように。
それがいつの間にかその手前にある人工物に目が行くようになっていた。    
それは僕自身が上述したような極めて日本人的な感性を持った人間だったからだと思えば自分なりに納得がいく。    
つまりこれは日本人でしか撮れない、見ることの出来ないビジョンのひとつの具現化なのだ。    
さながら僕は現代の百鬼夜行絵巻の絵師になる役割を担っているのだと思う。


大塚 和也

● 略歴
2001年3月 東京工芸大学芸術学部映像 学科卒業       
2013年8月 「shadowtimes vol.38 shadowrecommends」に選出、掲載       
2015年10月「HUNGRY ISSUE.5 LIMITED EDITION」に選出、展示(渋谷、京都、札幌)       
2016年1月 TAP Galleryに所属       
2016年2月 個展「Objet : daylight」(TAP Gallery)       
2016年5月 個展「Objet : sunset」(TAP Gallery)       
2016年8月 個展「Objet : horizon」(TAP Gallery)

来年の1月24日から2月5日までTAP Galleryで新シリーズの個展を開催する予定。  

HP:http://kazunariohtsuka.com/
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TAP Gallery 公式HP:http://tapgallery.jp/


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